こんにちは。よこたです。
今日はオーダー家具のことについてお話したいと思います。
オーダー家具とひとくちに言っても、いくつかパターンがあります。
椅子ならば、木材、座面などの生地、脚の長さとか。
テーブルならば、木材、幅・奥行き・高さ、天板厚、脚のデザインとか。
カップボードならば、木材、幅・奥行き・高さ、扉or引出し、取っ手、ガラスとか。
オイル仕上げか、ウレタン塗装か、ウレタン塗装ならばどんな色か。
決まったデザインがあって、サイズや木材、塗装、色、仕様など、お客様の好みで選べる。
当店で取り扱っているほとんどの家具が上記のようなオーダーが可能なのですが。
今回はそういうオーダー家具のお話ではなく、フルオーダー家具についてのお話です。
頻度としては低いのですが、フルオーダー家具のご相談をいただきます。
国沢タンス本店において、フルオーダー家具とは、お客様のご要望をもとに、1から作り上げる家具のこと。
家具屋のコーディネーターとしてはかなり気合が入ります!
お客様と打ち合わせ中、A3の方眼紙にメモをとったり(他人じゃ解読できないほど汚い)、スケッチしたり(かなり雑ですが)考えながら手も動かします。
お客様のご要望が明確に理解でき、目的・方向性が定まったら打ち合わせは終わり。
すぐにエスキスに入ります。
フリーハンドで図面描いて協力工場さんに見積り依頼。
お客様に完成イメージをお伝えするためにパースを描く。
そしてプレゼン資料にまとめます。
図面もパースもいまどき手描きなんです!
CADとか、3Dシミュレーションとかじゃないのです(笑)。
だって、インテリアプラン系のそういうソフト、お高いんですもの。
無料だからJw‐cadは入れているし一応使えるけれど、フリーハンド手描きの方が早くておさまりやニュアンスも表現しやすいんですもの。
これはキャビネット図と断面図ですが、一消点パースやアイソメなどその時々によって変えています。
(今回、珍しく定規を使って描いていますが、いつもはフリーハンド。)
コピックや色鉛筆を使って着彩。
と、こんな感じで数枚描くのです。
描いたものをスキャンして、資料にまとめるのはPowerPointかIllustratorですけれどね。
アナログとデジタルの融合です(笑)。
描くこと自体や、資料にまとめあげるのはわりと早いんですけれど。
エスキスにけっこう時間を使います。
いくら素敵なデザインでも、実際使いにくいとか絶対にダメですし。
でも実物があるわけでないから、頭をフル回転させていっぱいいっぱい想像します。
わたしの頭の中の引出しだけでは解決しない場合、本やネットで調べます。
店内のあらゆる家具や、よそのお店で参考になりそうなものがないかも見たりします。
頼れる人に相談もします。
国沢(一応名前を挙げておくことにする)、協力工場さん、あとは師匠とスキルアップ仲間!
師匠とは富山県インテリアコーディネーターのトップオブトップの方。
わたしには同僚はいないけれど、高い志を持ったスキルアップ仲間が県内・他県に数名いるのです。
それでもわからない場合は、その方々の人脈で適任な方を紹介してもらえることもあるのです。
ありがたいです。
あとは、模型を作ったりすることもあります。
これは段ボールで作った女優ミラーの実寸模型。
われながら何なんですか、このクオリティの低さは(笑)。
でもこれを作ることによって、使用感がリアルにわかります。
お客様に使いやすいか模型で体感いただく場合もあります。
フルオーダー家具は、正直言って難しいです。
だって、ご要望を叶えるために1から作り上げるものなんだもん(キューティーハニーか)。
わたし自身も、お客様も、それそのものを実際に使ってみたことがありませんから。
なのでかなり考えます。
完成イメージが伝わるように、協力工場さんには図面を、お客様にはパースを描きます。
使用感を確認するため、模型を作ったりもします。
難しいからこそ、実にやりがいのある仕事。
だから溢れるほどの感謝の気持ちで、今の自分にできるベストを尽くしたいと思って臨んでいるのです。
それでは。