こんにちは。よこたです。
今日は先だってお届けした総桐たんすについてお話したいと思います。
六代目がはりきってご案内からお届けまで全てを担当させていただきました。
しかしながら筆不精のためブログはよこたが代筆させていただきます。
ご結婚された娘様に桐のたんすを買ってあげたいご両親。
娘様だけでなく、お孫様のお着物も用意されたそうです。
大切なお着物ですから、桐のたんすに入れておきたいですよね。
当初、娘様はあまり関心がなかったご様子。
娘様のお気持ち、よくわかります。
桐のたんすって、なかなか現代のライフスタイルになじまないイメージありますもんね。
かく言うわたしも、国沢タンス本店で働くまで、桐たんすに全く関心ありませんでしたから。
(正直すぎてごめんなさい。)
働き始めてすぐ、桐たんすの一流職人だった五代目からいろいろ教わりました。
桐は、木のように見えて実は草の仲間、だから「木」に「同じ」と書くんだよ。
こんなに大きく育つんだよ、とめちゃめちゃ大きな桐の写真を見せてくれたり。
桐はアクがあって、薬剤で強制的にアク抜きした輸入材が多いけれども、国沢で扱う桐材は、全て日本で育って、長い年月かけて雨や風にさらして十分にアク抜きしたものを使っているんだよ。
吸湿性に優れ、熱伝導が小さく燃えにくいとか。
もし、火事になっても表面は炭化して焦げるだけ、消火の水も吸収して火が移らない上、膨張して隙間を防ぐから、大事な着物や書類を守ることができるとか。
虫が嫌がるアルカリ性だから、防虫性にも優れているとか。
職人技が光る蟻組(ありぐみ)という、頑丈な引出しのつくりのこと。
桐の吸放湿に合わせるため、引出しの底板とつま板(両サイドの板のこと)の接合に木釘を使うこと。
木釘にするのには、使ううちに底板と同じように削れていくので、釘の頭が出たり、抜け落ちることがないから。
高い気密性を保ちながら、使いやすいように紙一枚ほどの絶妙な隙間に仕上げることなどなど。
(本当はもっといろいろ教えてもらったのですが、めちゃめちゃ長くなるので今日はこの辺にしておきます。)
桐という素材の特性を生かして、職人の技によって上等なたんすに仕立てる。
知れば知るほど、先人の知恵、職人さんの技量に感嘆するのです。
話を戻します。
当初あまり興味がなかった娘様、当店展示の焼桐のローチェストをご覧になり。
さらに豊富なデザインの金具から好みを見つけられました。
六代目曰く、次第に興味を示されたのがたまらなく嬉しかったそうです!
(わたしも嬉しい!)
当店展示のこちらの総桐たんす。
柾目の美しさが映える、上等な総桐たんす。
昔ながらのとのこ仕上げです。
すっきりした見た目のこちらの型をベースに、娘様好みにカスタマイズしおつくりしました。
完成したものを嫁ぎ先にお届けし、座敷に設置しました。
焼桐で落ちついた色味、さらにオイルで仕上げて艶感もあり、モダンなデザインの取っ手が素敵です。
総桐たんすなのだけれど、桐たんす桐たんすしていない見た目、と言いましょうか。
現代のライフスタイルにも調和しますね。
すっごくカッコいいと思います!
娘様に喜んでいただけました!
ちなみに、桐たんすって一般的にお手入れが難しかったりします。
とのこ仕上げのものは、優しく乾拭きです。(濡れ拭き厳禁!)
ですが、バーナーで表面を炭化させ、その上から亜麻仁油主成分のオイルを浸み込ませてありますので、お手入れが楽!
かたく絞った濡れふきんで多少拭いても大丈夫です!
鬱金色(うこんいろ)の油箪(ゆたん)。
ほんの少し赤みを感じる鮮やかな黄色。
とっても綺麗な色ですね♪
この油箪も、娘様に満足いただけました!
これで大切なお着物を安心してしまっておくことができますね。
ご実家のご両親、おじい様からの贈り物。
末永くご愛用下さいませ。
末永くお幸せに。
A様、N様、この度はありがとうございました。